2009年9月1日火曜日

衆議院議員選挙の結果を受けて

さて,先日の衆議院選挙の結果により民主党が政権与党につくことが決定したわけですが,

日本の今後の経済の成長戦略の方向性はどのようなものになるでしょうか.

一般に言われているのが,外需頼みの輸出偏重型からの脱却といわれているものです.

ご存じの通り,リーマンショックが直撃した欧米と比べて

日本は影響が小さいと予想されていたものの,

実は世界最大級のGDPの落ち込みというものになってしまいました.

これは日本が輸出依存の体質であったからであると結論付けられています.

しかし,GDPに対する日本の外需依存度は一般に言われているほど

大きくないというのが実情であり,

GDPの7割ほどを内需が占めているという現状です.

外需依存しているといわれる日本ですが,

数字の上では,韓国のほうが圧倒的に外需依存度は高く,

世界の中でも内需のマーケットの大きさはトップクラスです.


ではどうしてあんなに大きなGDPの落ち込みとなったのか.

それは,今まであまりにも輸出が良すぎたからです.

日本はここ十数年ほど円安政策を続けており,それはアメリカのドル高政策,

つまりは「強いドルはアメリカの国益」という政策としっかり噛み合って

ドル円は110~130円付近で推移していました.

この円安は輸出企業にとっては大きなプラスとなり,企業業績を押し上げるとともに,

日本の成長の大きな一因となっていたことは否定できない事実です.

しかし,この円安政策は,輸入関連には当然大きな壁として存在し,

内需を圧迫していたというのもまた事実です.

現在のドル円は,また90円台を窺う展開となっており,

今後,民主党政権では円高政策をとると噂されています.

そうなった場合,どのような影響が考えられるでしょうか.


まず,一般論として,

自国通貨が,相対的に安いほうがいいとしている国は,

世界中探しても珍しいものです.

外国から輸入する際,特に原油の場合が考えられますが,

自国通貨高であるほうが,輸入代金を低く抑えることができます.

逆に,産油国,(一般には資源国)の場合は,

原油の輸出により多くの外貨を得ることができるため,自国通貨安でも通用するでしょう.

とはいえ,やはり輸出だけをしていればいい国など世界中探しても存在しないわけで,

そのあたりのバランスは難しいものがあります.


さて,日本の場合です.

日本はご存じの通り,小資源国です.

というより,一般に資源といわれるようなものは,無いに等しいというのが現状です.

現在,日本近海の大陸棚に存在しているといわれている海底資源というのはありますが,

ここ数年の間では資源を実用化することは困難でしょう.

そんな日本にあって,円安政策というのはいかがなものでしょうか.

日本は高度経済成長以後,一貫して材料を輸入して加工して輸出という

スタイルで成長を続けてきました.

世界が成長を続ける中では成功してきたスタイルですので,

一概に間違いとは言えないでしょう.

しかし,輸出が多いからといって,円安政策があっているかというと,

そうは簡単には言えません.

国内にある資源を加工して輸出しているのならそれで間違いないでしょうが,

日本の場合,海外から資源を輸入して,それを加工・輸出しているわけですから,

輸入の際の代金をどう考えるかも重要な問題です.

一年ほど前にドル円が87円台に突入した際,メディアはこぞって

「何百億円が円高により吹っ飛んだ」

というようなことを言っていましたが,それは円高だけに問題があったのでしょうか.

当然,政府の政策から輸出企業は円安を期待して,

為替想定レートを110円とかそのあたりに設定していたため,

輸出の際の利益の目減りということになってしまったでしょう.

しかし,円高になれば当然原料輸入の際,いままでは円安だったため

期待していなかった原料コスト削減による利益が出ていたことでしょう.

この点についてはあまり触れられません.

当然,円高による原料コストよりも,円高による輸出の利益の目減りのほうが

格段に大きかったためでしょう.

ただ,企業側が円高を想定し,原料を安く仕入れ

それを想定して輸出価格を決めれば,どうだったでしょうか.

当然外国側からみれば,自国通貨安では国内製品より

日本製品のほうが割高に映るかもしれませんが,

日本の高性能,高付加価値商品であれば,まったく売れないということはないでしょう.

ビジネススタイルの転換ということも視野に入れなければならないのではないでしょう.


今後,円安を円高方向にシフトしなければならないと考える理由はもう一つあります.

それは,資源の枯渇問題です.

一般に言われる資源というものが現状ではゼロに等しい日本では,

いざ資源がなくなったとき,法外な価格を押し付けられても,

資源が存在しない限り,その値段を飲まざるを得ないということが予想されます.

食糧についても同じことが言えます.

現状では少し上がったとはいえ食糧自給率40%そこそこの国ですから,

いざ世界的な天候不順などで食糧不足に陥った場合,

この場合も高い価格で輸入しなければならないことが予想されます.

そうなった場合に備え,円高であることは一つのリスクマネージングとして考えられます.

当然,そうなった場合に備え,食糧自給率を上げることも必要ですし,

先ほど申し上げた海底資源開発も必須でしょう.


このように,日本はこれから生きていくためには,さまざまな変革が必要でしょう.

われわれ日本人は,それを期待して投票し,

そのおおきな期待を背負っているのは,民主党です.

どこまでできるかは未知数ですが,とりあえず,

官僚とのしがらみがないということをしっかりと活用し,

今までずいぶんたまってきた「膿」をしっかり出してもらいたいと思います.

たとえそれがパンドラの箱を開けるということになろうとも,

それはこれからの日本のために必要なことであると,

僕は信じています.

2009年8月31日月曜日

民主党政権発足後初の市場は

選挙後の月曜日の市場は,

年初来高値を更新し200円以上上昇する場面もありましたが,

ドル円が92円台前半まで突入すると,売りが優勢となり,

結局41円安で取引を終了しました.

市場としては大きなサプライズと受け取らなかった衆議院選挙ですが,

本格的な影響を与えるのはまだ時間が必要でしょう.

一番近いのは,概算要求の抜本見直しでしょう.

これが景気対策の足かせとなるとの懸念もあります.

注目が続きます.

予想通りの民主党圧勝でしたが

300議席を超す民主党の圧勝となった今回の衆議院選挙ですが,

はたして明日の市場はどう反応するでしょうか.

民主党の勝利はほとんど周知の事実であったことから,

市場は織り込み済みであることが考えられますが,

とりあえず,ここ数週間はサプライズが起きるかもしれないので注目です.


民主党は,自民党が決めた緊急経済対策の一部を予算執行停止にすると言っています.

これが現実になると,市場にとっては経済の足を引っ張るとの懸念から

売りで反応すると考えられます.

また,民主党が政権をとったことで,

今まで政府がひた隠しにしてきた悪いものがあふれ出てくる可能性もあります.

そこが個人的には一番の恐怖です.


とにもかくにも,新たな日本にCHANGEということで

少しホッとしています.

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