2010年9月17日金曜日

為替操作国認定というのは

いったい何なんだろうか?

アメリカは,一時期,人民元の変動を事実上固定していた中国に対し,

為替操作国だと認定する一歩手前まで行きました.

中国としても,アメリカに操作国であると認定されるのは避けたかったためでしょうが,

認定の直前に,為替の変動を自由化したことになっています.

しかし,現状でも人民元の変動幅は小さく,そのスピードも遅いのが現状です.

個人的には,為替操作国とは,こういう例を言うのだと思います.


しかし,今回の日本政府による為替介入の直後,アメリカの議会内で,

中国のほかにも為替操作国があり,

この事態を憂慮しているとの趣旨の発言があったそうです.

明言はしていませんが,これは確実に日本のことを指しており,

為替介入を行う=為替操作国

というような論調でした.

さて,本当にそうなんでしょうか?

日本は,円の,もっといえば,ドル円の変動幅を固定していませんし,

変動の幅やスピードは市場次第です.

為替を操作したかしてないかで言ったら,そりゃ事実上したことになるでしょう.

しかし,実際には,日銀が2兆円分といわれていますが,ドルを円で買っただけの話です.

市場を通しており,操作したというよりは,買ったら市場が動いたということです.


為替介入をしている国は,最近でも数カ国あります.

有名なところではスイスですね.

リーマンショック後,金融危機,欧州不安など,続いて起こった中で,

スイスフラン高に対して,スイスフラン売り・ユーロ買いの介入を何度も行っています.

しかし,苦労の甲斐むなしく,スイスフラン安方向には進んでいないのが現状です.

あとは,韓国なんかもウォン売り介入をやっているようですね.

これらに共通するのは,いずれも自国通貨安にしようという介入しか行われていないということです.

日本も然りです.


もとはと言えば,リーマンショック以後の今回の円高は,完全な円独歩高です.

他国,もっといえば,アメリカ,欧州各国が通貨の流通量を何倍にも増やしているのに,

日本円だけが流通量が増やさなかったため,相対的に円の価値が上がってしまっています.

つまり,日本も通貨の流通量を増やせばいいわけなんですが,

日本銀行はインフレが恐ろしくてたまらないので,

通貨の流通量を増やすことに対して,ものすごく後ろ向きなんですね.


余談ですが,通貨不安ということで金GOLDが買われているのは,

通貨自体の信頼感が薄れていることが原因です.

有事のドル買い,金買いというのが通説ですが,

今回は,金買いだけですね.


今回の介入のタイミングとしては,

正直に言って,絶妙だったと思います.

確かに遅いっちゃ遅いんですが,

菅首相が続けば円高対策が遅れるだろうという考えが広まってましたから,

まだ海外勢がなめきっているころに,介入のパンチを食らったので,

警戒して円高方向への仕掛けをしにくい状況ですね.



次回は,介入によって積み上がってしまっているドルの残高を

いかに有効に使うかを考えようと思います.

2010年9月15日水曜日

ついに為替介入しましたね

ちょっと見逃しているうちに,為替介入があったようですね.

10時35分ころ,一気に円安方向に振れましたね.

会見によると10時35分とのことですが,32分ころから急騰していたとの声もあるようです.

いつもは部屋の前でぶら下がりに応じている野田財務大臣が,

今日は無言で部屋に入っていったという話も聞きました.

何かを読み取られたくなかったんでしょうね...


今回の介入額がいくらかは公表されていません.

むしろ,東京時間の一度ではなく,欧州時間でも介入が引き続き行われたようで,

ドル円は一時85.50付近までは上昇しました.

ストップオーダーを巻き込んで一気に上がったようですね.

ここで気になるのが,やはり介入の額ですよね.

引き続き介入するからということで総額を公表していないのかもしれませんね.

ある情報によると,最低1000億円分とのことですが,

実際にはもっと多いかもしれませんね.というより,多いでしょう.


民主党代表戦が終わりその翌日に介入ということで,

不意を突かれた方もいるのではないでしょうか.

自分もそのうちの一人です.

昨日,代表決定直後に50銭近く円高に進み,

その後には83円を割ってしまったとのことでしたので,

今後は菅政権でもっと円が買われるとの危機感が強まったのでしょう.

それがきっかけになったかもしれません.


日本の株式市場は,ひとまず素直に円安を好感して大幅上昇となりましたね.

トヨタ株も3000円に乗っけてました.

問題は,この85円台という水準がいつまで続いてくれるかです.

一般論として,一国が介入をしたところで,

為替の流れまでは変えることは出来ません.

ということで,スピードは緩まっても,円高傾向はとめられないというのが,

市場の見方のようです.

まあ,その通りなんですが,

なんで一切市場介入をしたことを評価しないんですかね?

ある程度評価してもいいと思ってます.

個人的には,少し前のしょうもない発言で円高を招いた方々は馬鹿だと思いましたが,

今回のタイミングは,非常に良かったかなと思います.

結果論になりますが,直近の円のほぼ最高値である82.90前後で介入を開始し,

85円中盤まで持っていったというのは,

介入コストを考えると,少なくてすんだのではないかと思います.

あとは,海外の大口投資家の動き次第というところですが,

ファンド勢はこのあたりが仕掛け時だと思っているのではないでしょうか.

日本政府,日銀が仕掛けたことによって,

かなりの損失が出ているところもあると思います.


日本の個人投資家はどうだったでしょうか?

自分は現在株しかやっていないので,直接は影響を受けていませんが,

円安好感で保有している株の評価損は少し減りました.

日本の個人投資家の皆さんが83.50付近でドルを買い支えているなんて声も聞かれていましたが,

そのまま持ち続けていれば,そこそこ利益は出たんじゃないかと思います.

ロスカットしちゃってた人にとっては,,,残念な結果になっちゃいましたね.


この後の流れですが,

日本の介入がどの程度続くかにもよりますが,

自分ならもう一度くらいは円高方向に進むと思っています.

ファンド勢は85円くらいのところで円を買いたいでしょうから,

このあたりからなかなか上には行きにくいと思っています.

なので,いつ動きが出るか,週末まで目が離せない展開になりそうですね.

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