日本の4-6月期GDPは実質で前期比0.9%増、年率換算3.7%増となりました。
政府の景気底打ち宣言が出た後の統計調査で、
数字的に改めて景気の底が見えたような気がします。
しかし、物価変動などを考慮した名目GDPは前期比0.2%減、年率0.7%減となっており、
デフレ傾向が見られるものとなっています。
大事な選挙前に政府側としてはいい数字が出たわけですが、
額面どおり受け取っていい数字ではありません。
0.9%のうち多くを占めるのはエコカー減税、エコポイント効果によるもので、
多くの専門家から単なる需要の先取りであるとされています。
特に大きな出費となる自動車、家電製品を数年以内に
買い替えるであろうとしていた人たちにとっては、
いい機会ということで、多少前倒ししてでも購入したことでしょう。
しかしその需要の先取りしてしまった分、必ず反動はあります。
息切れとでも言うべきでしょうか、7-9月期は何とかなったとしても、
10-12月期はかなり不安です。
ましてやエコカー減税の期限が来年3月ころまでの納車という期限付きなので、
それまでに間に合わないような場合、自動車の購入をやめる人も出てくるでしょう。
そんなこんなで、この先に関してはきわめて不透明といわざるを得ません。
また、失業率の問題もあります。
一般に失業率はGDP等の経済指標よりも半年程度遅れて影響が出てくる指標であるとされています。
アメリカの失業率は先日の数字が比較的良好でしたが、依然高止まりで、
改善の兆候とは言いがたいところです。
日本の失業率に関しても、現在は5%台ですが、
これにはどうやらからくりがあるようです。
国の借金やGDPの落ち込み方は世界的にひどかったにもかかわらず、
先進国の中でも突出して低い日本の失業率です。
これは政府が緊急経済対策とか言ってやった、失業給付の支給期間延長の影響が大きいようです。
先日ニュースにもなっていましたが、失業して失業者にカウントされるはずの方々が
この延長された期間の期限切れで、来月、再来月あたりから
バタバタと失業者としてカウントされるようです。
潜在失業率は8-9%程度ではないかといわれており、
失業者数は倍近くに激増することになります。
そもそも日本の失業率の算出方法は他の欧米各国とは違うらしく、
以前から低めに算出されているようです。
今度の民主党政権になると株価は下がるといわれていますが、
個人的にはそれは当たり前だと思います。
現在の市場は期待先行で実体がまったく伴っておらず、
大きな期待だけを支えに異常な回復を続けています。
今日の日本市場は328円の下げと大きく下落して終わりましたが、
これは先週末に発表されたアメリカの経済指標を嫌気したダウ平均の下げと、
94円台まで進行している円高の影響、
これまでの過熱感のある市場への警戒感、利益確定の動きなどからきたもので、
本日発表された日本のGDPはほとんど影響を与えていないでしょう。
不透明な今後ですが、
次の大きなイベントはやはり、今月30日の衆議院選挙です。
民主党が第一党になることはほぼ確定ですが、やはり選挙はやってみるまでわかりません。
民主党の勝ちの度合いによって市場の受け取り方は違ってくるでしょうが、
株価はこれまでの調整の下げをはさみつつ、
まずはそれまで様子見という展開になるかもしれません。
2009年8月17日月曜日
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